コミュニティで農業に新たな息吹を~いのうえのうえん井上広基さん~


皆さんこんにちは。川崎市麻生区出身でエフォートレスマガジン編集部の福岡すみれです。withコロナにafterコロナ、そして新たな生活様式の中「変化の時代を生きるヒント」としてインタビューをまとめたシリーズも最終回となりました。

▶第一弾:地域PRの視点で読みとく!新百合ヶ丘の今とこれから
▶第二弾:楽天カヌレランキング1位入賞!伝統を守り新たな挑戦を続ける~ケーキとパンの「ミツバチ」店主松倉圭吾さん~

いよいよ第3弾は、新百合丘地区でもひときわ尖った、インスタグラマー農家こと、いのうえのうえんの井上広基さんです。

インスタグラマー農家
いのうえのうえん井上広基さん

川崎市麻生区古沢・いのうえのうえん3代目の井上広基さんは、インスタグラマー農家/コミュニティ農家として野菜の魅力を様々な形で発信・提供されています。まず驚いたのが、SNSで使われている圧倒的な世界観の写真でした。


福岡:今日はよろしくお願いいたします。農業のお話しの前に…インスタグラムを拝見してびっくりしました!このお写真はもはやアートですね!どんな特殊技術で撮影されているんですか?

井上(敬称略):ありがとうございます。これ実は、本当にアナログに撮っているんですよ。作業場でコツコツ並べて。カッコイイと言っていただけるものの、実は結構地味ですね(笑)お客様に野菜に興味を持っていただけるような、何か面白いことができないかなと思ってはじめました。

デザイン出身か?と聞かれることもありますが、全くの素人です。もともとは彫金の仕事をしていました。結婚を機に祖父の代から続く家業を継いで、今年で農家13年目になります。

畑仕事はご両親のお手伝いなどもされていたと思いますが、実際に農家になられてどうですか?

だいぶ違いますね。農家って野菜ができて、販売先があって、野菜が作れないとお金にならないという超・基本的なところにまず気が付きました。

僕はあまのじゃく的なところがあって、最初は珍しい野菜ばかりを育てていたんですよ。例えばロマネスコとか。当時は市場にもあまりないから、とっつきにくいし食べ方が分からないということで、全然売れませんでした。そもそも作るのもすごく大変で(苦笑)

売れないって分かるのも、相当時間と体力をかけたあとですよね?

そうなんですよ(泣)。野菜って多くても年3回、だいたい2回ほど。ブロッコリーなんかも、ひと農家で作れるのって少ないんですよね。それがパーになるというのは本当に痛手です。

でもなんとか、そうこうしながら農家のいろはを学び、近所にできたセレサモスという大型農産物直売所での販売に挑戦。その後もミツバチさんをきっかけにいろんな飲食店さんにも卸すようになって。今では地元新百合ヶ丘地区の仲間とユニットを組んで一緒にマルシェに出たり、はたまた昔馴染みの友人とコラボしてみたり、新しい活動にも力を注いでいます。



コロナの影響はいかがでしたか?

わが家は、父が地元・柿生野菜生産者直売会に卸す仕事を、僕がイロイロと新しい販路を…と経営も別にやっているのですが、このコロナで飲食店さん関連やマルシェといった新しい売り先は厳しい状態になりました。自宅にいる時間が増えたからかお陰様で直売所は伸びたので、家業全体としてはなんとか持ちこたえた状況です。

ただやっぱり、自分は動けているのに、お付き合いのある方々が大変苦労をされていて。何かしたくても僕1人では何もできない。本当にどうしたらいいのかなと思って。

(沈黙…)

そんなもどかしさの中でできることを精一杯やるというような毎日ですね。

明日は地元企業さんとの打ち合わせもあり、地域で何ができるかを相談させていただこうと思っています。(インタビュー:2020年4月)

フクオカ

販路を広げていたからこそ、今お店をたたまずにすんだという「ミツバチ」さんとは反対に、井上さんの場合はコロナで新しい取り組みがストップしたという状況なんですね。変化対応のむずかしさを改めて知るとともに、その解決策を地域で考えるというスタイルにとても希望を持ちました。

古くからある農家でも新しいことにチャレンジするには?

ところで、農家さんのイメージからすると、井上さんは型にはまった感じがしないですが…。

だいぶ自由にやらせてもらってますね。地域の農家さんとのお付き合いも大切にしていますし、また外からの学びも得たいなと思い、色々な業種の方ともかかわるようにもしています。

最初飲食店さんに卸しはじめた頃は、地元にはそういった例も少なく右も左も分からない状態でしたが、今では若手農家でタッグを組んで、無印さんなどにもお取引いただけるようになって、それが本当に嬉しいです。

畑から、台所へ。」コミュニティの誕生秘話を聞かせてください。

きっかけは地域PRの間瀬さんでした。しんゆりのマルシェに出ませんか?と最初にオファーをいただいた時は僕も余裕がなく物量もそれほど用意できないので、一旦お断りしたんです。

そんな時、柿生野菜生産者直売会でタイミングよく上の方から、若手メンバーで何かやってみたらいいんじゃない?というきっかけをいただいて。じゃぁマルシェがあるからやってみようということになり「畑から、台所へ。」ユニットが誕生しました。

右から谷戸畑の飯草純さん、ICHIKAWA TOMATO FARMの市川悟さん、井上さん、市川進養鶏所の市川雅貴さん、slow farmの安藤圭太・朋彦兄弟

マルシェでも持ち上げてくださって。僕らもみんなに覚えてもらいたいから、少しインパクトのある衣装にしたり、農家だけど敢えておしゃれにいこうということで。大盛況でしたし、それをきっかけに販路も広がりました。


MUJIカフェさんとのコラボはどのような経緯で実現したのですか?

間瀬さんの会社に「しんゆり人」という雑誌があるのですが。そのvol.1のインタビューで取り上げていただいたんです。クリエイティブ最先端農家というようなご紹介でした。それをご覧になった無印さんが声をかけてくださって、そこから野菜の販売やカフェでも使っていただくようになりました。

またもキーパーソンは地域PRの間瀬さん!生産者さんと街のコミュニティが紙媒体でつながるなんて。いろんなタイミングが一つになってプロジェクトが生まれる躍動感にワクワクしました。地元民にとっても、地元食材のMUJIカフェの方が愛着わきますね!

変わるものと変わらないもの

従来の農家さんとは違うチャレンジをたくさんされている井上さんですが、変わらず大事にされていることはなんですか?

なんでしょう(笑)そうですね。変わらないものと言えば、お客さんかな。そして自分が農家だということ。だから、お客さんに合わせて変わり続ける、これは変わらないことです。

例えば以前雑貨屋さんに野菜を置いていただいた際も、お店で並んでいる様子をものすごく想像しましたね。違和感なくどれだけ溶け込めるかを考えて、少量にしたり。逆にマルシェの場合は木箱に入れてみたり、みんなの衣装なんかも考えたり。自分にできることは野菜を出荷するまでなので、お店に並ぶ姿をイメージしてポーションやラッピングなんかも結構細かく調整したりしています。


きっと、お財布も違うと思うんですよ。スーパーで野菜を買うのと、雑貨屋さんとかマルシェで品物を手にするのって。財布も違えば味覚も違う。マルシェだったらちょっとお祭りのような感覚もあるだろし、雑貨屋さんならそういう物語の中で召し上がるだろうから。ワクワク楽しんでお買い物してもらえるように頭をひねっていますね。

あとは、いつも危機感を持つということですかね。代わりもいっぱいいる。常に新しいことをやっていかないと飽きられちゃうんじゃないかという想いも常にありますし、やったからといって売れるとも限らない。でも作ったものは絶対に売りたいので、やってみながら考えるというのは自分のスタイルかなと思います。

人が大事だという井上さん。なんと、昔馴染みのお友達
(現在コーヒー屋さん)ともコラボされているとか。

最後に、井上さんは何をしているときが一番楽しいですか?

マルシェでお客さんに販売しているときかな?この人が食べてくれるんだなと思うと、郵送とは違う感覚がありますね。

なるほど^^ほっこりしました。マルシェが再開したら私もお邪魔させてくださいね!今日はありがとうございました。

◆いのうえのうえんさんインスタグラム:https://www.instagram.com/inoue_nouen/

◆畑から、台所へ。Facebookページ:https://www.facebook.com/畑から台所へ-253727808660899/

エフォートレス・まとめ

コロナ禍でのインタビュー。自分のことだけでも精一杯という人がほとんどな中、冷静に世の中を分析し、地域として何ができるかについて考えを巡らせていた井上さん。農家の枠を超えて、他の業種、また地域PRの間瀬さんなどとのつながりの中で、このコロナにどう地域として立ち向かっていくかを実直に考えられている姿に学ばせていただきました。

以上、3部にてお届けしました地域PRからはじまった新百合丘の今。いかがでしたでしょうか。引き続きコロナで大変な時期ですが、だからこそ、1人1人が英知を結集させて新しい時代を切り開いていくのかもしれません。私も、地域住民としてできること、またライター等の仕事を通じて世の中に還元できること、それぞれ考えていきたいと思います。間瀬さん、松倉さん、井上さん、本当にありがとうございました!

追伸:井上さんのところでは、今後アイドルグループ嵐になぞらえた握手会つきの農家グループが誕生するとか!?今後のご活躍も応援しております!

投稿者プロフィール

福岡すみれ
福岡すみれ
食・子育て・英語・ビジネス・女性のキャリアなどについて記事を書いています。前職はお酒&飲料メーカーの役員秘書、現在はフリーランスで3児の母です。あなたが、そして家族やチームが輝くように…令和の時代を軽やかに生きるヒントをお届けできればうれしいです。

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