楽天カヌレランキング1位入賞!伝統を守り、新たな挑戦を続ける~ケーキとパンの「ミツバチ」店主 松倉圭吾さん~

こんにちは。エフォートレスマガジン編集部の福岡すみれです。コロナウィルスに伴う外出自粛によりさまざまな形で生活の変化を余儀なくされた方も多いのではないでしょうか。

そんな中、私の地元・小田急線の柿生駅にあるケーキとパンの「ミツバチ」さんは、店舗もネット販売もフル回転。楽天市場カヌレランキング1位入賞実績のあるカヌレに続き、超有名・強豪店ぞろいのシフォンケーキ部門でも3位に入るなど(2020年5月度中間発表)大躍進を続けておられます。

今回は「変化の時代を生き抜くヒント」を探るシリーズ第2弾。激動の時代に何を大事にどう生きるか。ミツバチ3代目店主松倉圭吾さんにお話しを伺いました。

▶▶第1弾はこちらから:地域PR間瀬奈津子さんインタビュー

「ミツバチ」3代目:松倉圭吾さん

コロナでもなんとか元気に営業中!松倉さんと奥様


はじめまして。今日はどうぞよろしくお願いいたします。実は私、中学生のころミツバチさんによく通っていたんですよ!「部活がんばってね」と声をかけていただいたり、時々おまけにパンをいただいたりと懐かしい思い出でいっぱいです。

松倉(敬称略):そうなんですか!昔馴染みのお客さまにインタビューいただけるとは、こちらも嬉しいです!よろしくお願いします。

まずは最初に簡単なプロフィールをお聞かせいただけますか?

ケーキとパンのお店「ミツバチ」3代目松倉圭吾です。戦後祖父が兄弟とケーキ屋をやっており、のれん分けをしたお店がまず中野に、その第2店舗として47年前にできたのが柿生(かきお)のミツバチです。父が継いで、私も後に続き、そろそろ10年となります。

ミツバチで修行を始めたのは24歳のとき。最初は息子だと甘やかすことになるから他に行ってくれって言われたんですけど。なんとか頼み込んで入れてもらったら、全然甘くなくて…(笑) 寿司屋の丁稚並みに職人の世界でした。失敗は全く許されないし、父も言葉が上手な方ではない。親子ですから時にバチバチしながらも、祖父と父の背中を見ては、なんとか技を盗もうと寝る間を惜しんで働きました。

寿司屋の丁稚ですか!ケーキ屋さんやパン屋さんのイメージとは、だいぶ違いますね(笑)つまり、経営者というよりも、現場の第一線でパンを捏ねてらっしゃるのも松倉さんということですね?

もちろんそうです。発注から仕込み、捏ね、成型、焼き、ラッピング、配送、接客、掃除、電話対応まで(笑)全てやります。さすがに7年修行したあとだったので、お店を継いでも大丈夫かと思ったら、今度は売上管理といった経営面も背負うことになり、分からないことだらけ。その後の10年は、ミツバチの味を守り、日々を回していくのに必死にしがみついていたような毎日でした。

ちょっと自分らしいことができるようになったのも、本当に最近のことです。いまでこそSNSでも発信していますが、当時はSNS自体が今ほどポピュラーではなく、なかなか外の人ともつながれなかったですね。自分も未熟で目の前のことに必死でしたから、本業に専念というか、ヒーヒー言っていました。

地域PRの間瀬さんからは、色々チャレンジされている方!と伺ったのですが、例えばどんなことからはじめれたんですか? ▶参考記事:https://www.kiwako.jp/1071

ここ数年はSNSをはじめたり色々なコミュニティにも出かけていくようになりました。そこからコラボしたり新しい商品開発をした、というのが最初のチャレンジでしたね。

川崎市麻生区の菜花に「のらぼうな」というのがあるんです。アブラナなんですけど。

「のらぼうな」をパンに練り込んで、ご当地パンのようなものを作ったんです。そしたら生産者さんが本当に喜んでくださって。そういう顔を見られたのがすごく嬉しかったですね。せっかくこういう小さな町でケーキ屋もパン屋もやっているのだから、生産者さんからお客様へと顔をつなげていけるのがいいなと思いました。


みんな生産者さんって自分の子どもみたいな感じでお野菜を育てていると思うんですね。僕もそうですし。それを結婚っていうのかな、僕のパンと一緒に融合して、皆さんに味わっていただく。そこに新しい幸せが生まれるのがいいなぁと。ロマンチックでしょ。これが僕の原点な気もします。

フクオカ

いいお話ですね~。実は私、ときどき実家から送られてくる「のらぼうな」が地元の特産品だったことを知らずにいまして…。こうしてミツバチさんを介してふるさとの価値や財産を知ることができ本当に嬉しいです。


楽天カヌレランキング1位への道のり

それでは人気のカヌレについてお聞かせください。楽天でランキング1位と聞いて本当にびっくりしたのですが、どうやったらそんなことが?正直あの立地と、あの素朴なお店からは想像ができません(笑)

そうですね。1つはカヌレに絞ったということですね。インターネット上だと一点突破じゃないといけないという定説もあって、ケーキ屋の出店はものすごく数も多いし、カヌレでいこうとなったんです。

で、出したら売れちゃった?

いやいや、こんな小さな店がいきなり出しても売れませんよ(笑)2年前から出店しているんですが、最初は楽天さんでやってくださっている非公開の勉強会に通わせてもらいました。ネット販売の基本から、簡単なマーケティング手法、それから例えばタイムセールなんかの法則まで色々なノウハウも教えてもらえるんです。売り方については相当勉強しましたね。

あとは妻が字を書くのが得意なんですよ。筆ペンで「あ・い・う・え・お」を色を変えて書いてみたり。カラフルすぎる感じで(笑)もともとアパレル出身なので、そういう感度が高いです。私はセンスゼロなので、果たし状か決闘状か?みたいと言われるほどでして…。1人では絶対に無理だったと思います。


そこうしていざ売ってみたら、ご注文のメールが鳴りやまないという状況になりました。1日に1600個超売れた日もありました。

せ、せんろっぴゃく??(目が点!!!!)それは、嬉しいですけれど、生産体制は整っていたんですか?!

ものすごく大変でした。夜中じゅうずっとピコピコ注文通知がきているような状況で。カヌレは型が20個しかなくて、焼くのに1時間~1時間半かかるんですね。だから売れたからってすぐ出せるわけでもなく…。いろんな意味で勉強させていただきました。ただ、一度受賞するとその後の販売にもつながりますし、楽天経由で知ってくださった方がお店に来店されることもありました。

なんと!ミツバチさんのカヌレが柿生に人を呼んだわけですね!

そうなんですよ。作り手の顔を見に来たよと言われてドキドキしました(笑)SNSでコメントいただけるだけでも飛び上がるほど嬉しいのに、直接来店いただけるなんて、もう格別です。オンラインでは品物を絞って出していたので、お店に来てくださった方も喜んでくださって、他のケーキやパンなど色々お求めくださいました。

そうすると、アップルパイも通販に入れてよ、などとご要望をいただけるようになり、カヌレの次の柱として、ミツバチ伝統の食パンとアップルパイも通販のラインナップに加えました。

このコロナの中でも20205月度は最高販売数を記録する見込みと伺いましたが…

パンは毎日のことなので、ありがたいことにお客様もお店に足を運んでくださいます。ただやっぱり以前に比べるとものすごく減りましたね。営業時間も短縮していますし。ネットに販路を広げていなかったら、お店を畳むというようなことも考えなければならなかっただろうと思うと、今はサイト経由でお買い求めいただくお客様にも本当に感謝ばかりです。

大人のカヌレ誕生ヒストリー

ちなみにカヌレって、昔からありましたよね?ケーキのショーケースの上に鎮座していた記憶があります。私、実はミツバチさんのカヌレが生まれて初めて食べたカヌレだったんですよ。当時は、カヌレなんておしゃれなものを知らない庶民で、いつもお会計の時に目に入るアレはなんだ‥と気になっていて。ある時意を決してちょっと高いけど買ってみたんです。そしたら、思ったより固いし、なんじゃこりゃという…(笑)

固かったですか・・・それはそれは(笑)

20年以上前のクレームみたいでごめんなさい!何を言いたいかというと、カヌレって売れていたのかな~?と思いまして。オシャレな都会の街ならともかく、柿生の方は味わい方を知っていたのでしょうか?

いや、実際あまり売れていませんでしたね。1日10個売れればOKというくらいになったこともあって、いったん辞めかけたことも。でも、僕がベルギーとフランスに行ったときに、向こうではケーキ屋さんにもパン屋さんにもカヌレがたくさん置いてあるのを目にしたんです。

なんでかな?と思って調べたら、面白いことが分かりました。シャンパンやワインを作るときに、下の方にオリがたまるんですけど、それを掃除するのに卵白を使うそうで、卵黄が余る。その卵黄をいっぱい使うお菓子がカヌレで、だからいっぱいあるというんです。こういうの、面白くないですか?そこからカヌレの魅力にはまって、帰国後何年も改良を加えました。ようやくお酒を追加することで、風味が落ちずに香り高く仕上げる方法が見つかり、大人の味のカヌレが誕生したんです。

フクオカ

そんなストーリーがあったんですね!卵黄のお話も面白いし、私もちょっとは大人になったので、またミツバチさんのカヌレ、リベンジします^^

後日注文して大人の味わいに酔いしれました!
ふわっと鼻に抜ける上質なお酒の香りにすっかり虜に。


近所にケーキ屋さんができることは追い風か?

ちなみにお父様は圭吾さんの仕事ぶりについてどんな風におっしゃっているんですか?ネット販路やコミュニティに参加するなど、寿司屋の丁稚時代からしたら信じられない展開ですよね。

そうですね。またやってるなぁ~って感じで笑っていますかね。まだまだだなぁ~って(笑)

父は本当にすごい人なんです。僕は祖父のことも越えられない。お寿司屋さんの大将と同じで、言い表しようがないですね。僕もケーキ屋さんで修行しようと思って、何十軒と食べ歩きもしたんですけど、自分の店に勝るところがなくて、結局はここに戻ってきましたから。

柿生駅ってあんなにパイが小さい癖に面白い駅で。ケーキ屋さんが3店舗ある時代もあったんです。それにコンビニ3つにスーパー2つで、クリスマスなんてもうすごいケーキ商戦になるんですよ(笑)

地元の「禅寺丸柿」からできた柿ワインケーキも販売し、
柿生の歴史を継承されています。

そんなわが街に10年前にはオシャレな洋菓子屋さんができました。そこは女性オーナーでスタッフも女性。活気があって華やかで、すぐに地元でも評判になりました。

父からすると、近所に洋菓子屋さんだなんて競合だから嫌だという感じですね。父までの代は、常にお店にいて、お店の中で品質を高めていくというやり方だったから。

でも以前であればパイの取り合いであっただろう競合も、今はともに地域を盛り上げていく存在というか。僕はデメリットどころか、これはチャンスかもしれないって捉えました。だって、こんなに小さい街に、これだけケーキ屋があるって面白いなって思いませんか?

ミツバチはどちらかというと、パンもやっているから毎日来店されるお客様もいらっしゃるし、お土産用には何十年もお出ししている商品がある。一方その洋菓子やさんはもっとハレの日用というか、ケーキが有名で生菓子寄りの焼き菓子店。全然違うテイストなんですよね。柿生がスイーツで有名になったら人も呼べるし、食べ比べもいんじゃないかなとか^^ケーキとパンだけでも回遊してくれるので。

お父様の時代には競合はマイナスでしかなかったのが、今は新しいコラボの可能性にもなっていますね。同業者や他業種とつながるメリットはなんですか?

刺激を受けること、ですかね。部活で言うと、同じポジションを取り合うライバルみたいな感じです。因縁つけてみたくなるんですが、話してみたらイイヤツだった!というようなことがよくありますね。そして何より、お互いを高めあえる存在でもある。某バスケマンガ『スラムダ〇〇』の花〇と流〇みたいですね!!

それから、ご縁で新たな世界が開ける。冒頭でご紹介した「のらぼうな」もいのうえのうえんの井上さんという柿生の農家さん若手リーダー的存在と知り合ったことがきっかけでした。井上さんは、ヒゲで髪の毛ごわごわなんですが(笑)、本当にすごい人なんですよ。彼を見習って僕もいろんなところに顔を出したりしています。

Vol.1で登場した間瀬さんにはいつもPR視点でアドバイスいただいているのですが、間瀬さんと知り合えたのも、マルシェに行ったからでしたね。飛び込みで行ったコミュニティで、お祭りに誘っていただいたり、新百合ヶ丘や柿生のゴミ拾いをする交流にも参加したりと、気づけば輪が広がっています。

僕はもともと飽き性なので、新しい刺激が必要というのもあるのですが、未来を作るのは人とのつながりしかないとも確信しています。

先代からの絶対的な教え「材料へのこだわり」

おじい様やお父様の頃とは違う新しいことがある一方できっと大事にされていることもありますよね?

祖父の頃からの教えで「材料は最高級のものを使え」というのがあります。これだけは、本当に絶対なんです。自分で言うのもなんですが、めちゃくちゃいい材料を使っています。

例えば小麦も、以前はカナダ産の一番高級なものを使っていたんですけど、それより高い北海道産の「夢きらり」「春よ恋」に出合い、今はそちらを使っています。本当にいい小麦で、国産なのでポストハーベストの心配もないですし。

僕はもともとハウスダストとか、小麦のアレルギーがあったんですが、国産に変えたら症状が落ち着いたんです。だから変えてよかったなと思いましたし、お客様にも自信を持って提供できますね。

一言で言うと、国産小麦に国産バター。そんじょそこらの高級食パン専門店よりも高級なんですよ!裏張りを見たりすると、全然負けてないなと。ただ、立地もありますし、召し上がって下さるのは地元のお客様なので、値段は上げられませんけど。いつも身近にある、通っていただけるお店でありたいというのも時代が変わっても変わらない姿勢ですかね。

最後に、今はコロナで大変ですが、落ち着いたらやってみたいことなどありますか?

そうですねぇ、やってみたいことが山ほどあって。いろいろ勉強もしているんですけど。YouTubeの動画配信もやりたいですね。焼いているところや商品を切ったところ。あとはお客さんにも出演してもらって、召し上がってもらっているところとか。「美味しい」じゃなくていいから、素直な反応や等身大の僕らを見ていただけるメディアが作れたらなって思います。

あとはイベントですね。パン教室なんかもやりたいし。こういう状況が続くことも想定するとオンラインがいいのかなぁ~。妄想は尽きません!

僕は、誰かを笑かせたいんですよね。美味しいものを提供するのはもちろん前提なんですが。

「アップルパイも、ちょっと目が合うと可愛いでしょ」

パンで笑かす?具体的に言うと?

小さなことかもしれませんが、うちの看板商品のアップルパイをハート型にしてみたのも一例ですね。「元気の出るりんごパイ」っていうんですけど。ホテルブレッドの山を”3つ”にしてみた商品もあります。

それから通販ではスライスしたパンの販売をはじめました。その名も「在宅ワーク応援パン」。1枚ずつスライスしてジップロックに入れて凍らせて発送。忙しい中でも、できたての風味を味わってほしいなと思ってたどり着きました。こんなこと誰もやっていないので、まだまだ改良中ですけどね。挑戦して、また改良して、お客様にフィードバックをいただいて、また改良して、その繰り返しです。


届いたらこのまま冷凍。食べるときには凍ったままトースターで温めれば焼き立てパンが再現できます。わが家も在宅ワーク中にお世話になりました!

なるほど。笑かすというのは、驚きだったりネーミングだったり、感情を動かすってことですかね^^品物を通してお客様に笑顔や感動を届けたいんですね!

そうそう。僕はジャムおじさんみたいに皆さんをほっこり幸せにしたいんです。そのためにもますます精進していきますね。ぜひ落ち着いたらお店にもいらしてください♪今日はありがとうございました!

エフォートレスまとめ
変化の時代を生き抜くために、大切なこと

仕入れから販売まで、一つ屋根の下で全てを行うパン屋さん。決して時間的にも余裕があるわけではないと思いますが、次から次へとやってみたいという熱い想いが溢れては、しっかり行動に移すのが松倉流。やっている人がいないから、やってみよう。ダメならまた次…という発想もエフォートレスですし、常に知識をアップデートされている姿も印象的でした。伝統を守りながらも新しく道を切り開く。一方で地元を大切に集うひとを思う。そんな地域に根差した企業のあり方も学ばせていただきました。

地元の母子家庭・父子家庭を対象にコロナ支援で商品を無料プレゼントされる企画も。いつも何かしら考えて動いている!それが松倉さんでした。

コロナが落ち着いたら、改めてお店にお邪魔したいと思います。最後に、ミツバチさんのHP・楽天販売URLはこちらです。ぜひご覧になってみてください!

▶▶お店のHPはこちらから
▶▶楽天販売URLはこちらから

いよいよ最終回は、イケメンインスタグラマーいのうえのうえんの井上さんの挑戦に迫ります。どうぞお楽しみに!

投稿者プロフィール

福岡すみれ
福岡すみれ
食・子育て・英語・ビジネス・女性のキャリアなどについて記事を書いています。前職はお酒&飲料メーカーの役員秘書、現在はフリーランスで3児の母です。あなたが、そして家族やチームが輝くように…令和の時代を軽やかに生きるヒントをお届けできればうれしいです。

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